願いを叶える福来達磨
だるまと言えば、観光地のお土産物屋さんでよく見かける丸くて愛らしい縁起の良い置物を思い浮かべられると思います。
あるいは子供の頃、目隠しをして十秒数えるだるまさんが転んだという遊びをしたことがある方も多いでしょう。
縁起物としてのだるまの産地は、群馬県高崎市が有名ですが、実はだるまの由来になったのは、達磨大師という約1500年前のインドの僧侶です。
達磨大師が開いた、仏教の宗派である禅宗は、中国を通じて鎌倉時代初期に日本に伝わり、大きく発展しました。
現代では、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏が精神修養のために禅に傾倒していたことも知られています。
元来、禅宗の開祖として知られてきた達磨は、江戸時代になると、ここ日本で置物としての”だるま”へと変容しました。
だるまに手足がないのは、達磨大師が座禅を続けて、ついには手足が腐ってしまったという伝説にちなみますが、その手足の無いだるまの下部におもりを入れることで、「倒れない置物」として、不撓不屈・七転び八起きの精神を表す縁起物になりました。
さらに、同じ江戸時代に疫病が大流行した際に、目無しのだるまを用意して、目を入れることで験を担ぐおまじないとしての意味が加わったと言われています(諸説あり)。
昭和の時代になると、選挙の必勝を祈願し、まず左目を書き入れた上で、当選した暁にもう一方の右目に目を書き入れるという、現在の文化に繋がる風習が広まりました。
そして現代では、受験の合格祈願や、交通安全、家内安全、安産祈願など、幅広い用途に使われています。
このように、日本の文化に深く根付き、形を変えてきただるまは、願掛けをする際の国民的縁起物として、広く愛され続けています。
そして、だるまのコンセプトを腕時計に見立て、再現したのが、今回ご紹介する達磨トゥールビヨンです。
開発の背景について
ハンダウォッチワールドでは、2018年に縄文時代の土偶をテーマにした「縄文 トゥールビヨン・ウォッチ」を企画いたしました。
300本限定発売の本モデルは、多くの人の目に触れる間もなく、僅か数週間で完売し、一部の人々の中で語り継がれる伝説的なタイムピースとなりました。
そしてこの事実は、スイス製の高級腕時計が世の中で圧倒的な人気を集める中でも、自らの文化に対する愛や誇りは根強く存在しており、こうした製品を企画することで、文化芸術を愛する方々に興味深く感じていただけるであろうという我々の自信となりました。
そして、満を持して今回新たな製品を企画するにあたり、縄文時代の土偶と同様に、日本文化に深く根付いた「だるま」をモチーフとしたのです。
構想から製品化まで、実に2年を要した苦心作を是非ご堪能ください。
腕時計としてのだるまの表現技法
本企画にあたって、もっとも表現に工夫を要したのは、目入れの再現でした。
左目を固定で表示させつつ、右目に動きを付けるためには、ムーブメント内部で大きな同心円のインダイアルを用いる必要がありました。
このため、その他機能との干渉を避けつつも極力大きなスペースを確保することで、右目のダイナミックな動きを実現したのです。
本モデルでは、だるまの右目は24時間に1回、午前0時に入ります。
その前後の時間帯では、徐々に目入れが進むため、刻々と変わりゆく表情をお楽しみいただけます。
また、だるまの象徴である赤(高僧の服の色に由来)を表現するためにも、高度な技術が必要でした。
ビジュアルのメインとなる前面のベゼル部分は、発色の豊かなアルミニウムを使用し、一目でだるまと分かる鮮やかな赤色に仕上がっています。
また、ケースには、耐傷性に優れたIPメッキを使用。赤色のIPメッキを細部までムラなく行うためには、一流の技術が必要です。
このように、異素材を効果的に用いて設計することで、文字盤からケースがしっかりと一体感を持ち、だるまを形作っています。(これらの仕様は、白色タイプも同様です。)
また、ケースサイドには、梅のモチーフを配置。時間を読み取る補助になると共に、「辛く寒い冬を堪えて、暖かな春が訪れる」という禅の教えにも通ずるメッセージ性が込められています。
願掛けのための豪華付属品
本腕時計には、それぞれ別の願掛け言葉が刻まれた6時側のストラップが合計で5本も付属します。(12時側は1本のみ。)
だるまに願掛けをするように、ご自身にマッチした願いごとが記されたストラップを付けていただくことで、皆さまの大切なヒト・モノ・コトに対する想いを深めていただければという意匠になっています。
ストラップは、工具不要のイージーレバーピンになっていますので、ご自身で簡単にベルト交換を行っていただくことが出来ます。
もちろん、ベルトがダメージを受けた際の替えベルトとしてもお役立ていただけます。
そして、極め付けには、腕時計を収納するBOX自体もだるまの形をしております。
鼻輪を引くとBOXが開口し、腕時計が現れるという仕様です。
だるまBOXには、両目が入っていませんので、こちらもご自身の願掛けにお使いいただけます。
BOXを収納する桐箱には、替えストラップの収納の他、書道家による「福来達磨」の揮毫が入っており、こちらも素敵な仕上がりです。
同梱の座布団の上に、飾っていただくことも可能です。
達磨トゥールビヨンの動画
製品仕様
商品仕様 : トゥールビヨン・ムーブメント(手巻き/8振動)、40時間パワーリザーブ、だるまの目入れ(0時付近に目入れ)
ケース:ステンレススチール(IPめっき)、アルミニウム
ストラップ:カーフ(文様を型押し・裏側に文字刻印)
風防:サファイアクリスタル
付属品:だるま型パッケージ、替えストラップ(6時側)×4本
※画像中の赤色時計のストラップは参考装着であり、標準付属品ではございません。実際には白色時計と同じベルトが初期付属します。